・青面金剛像が彫ってあるものとしては日本最古と目される庚申塔です。
・近隣市(茅ヶ崎市、藤沢市、平塚市)に類似の庚申塔がありますが、下大曲神社の庚申塔だけが笠付型で二鶏が付いています。
項番 | 制作年 | 類別 | 注釈 | 場所 |
1 | 寛永17年(1640) | 庚申塔 三猿塔(不見、不聞、不言) | 全国的にみても古いものである。(日本最古の三猿塔?) | 茅ヶ崎市円蔵 輪光寺 |
2 | 承応2年(1653) | 庚申塔 笠付型4臂青面金剛像 二猿 二鶏 | 全国的にみても古いものである。{「青面金剛刻像は福井県にある正保4年(1647)が現存最古とされている。(ウィキペディア)」との説もあるが、確認できていない。} | 寒川町大曲2-8-18 下大曲神社(山王社の本尊?) |
3 | 承応3年(1654) | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 | 茅ヶ崎市天沼292 八幡大神 | |
4 | 承応4年(1655) | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 「庚申供養」の刻銘入 | 日本最古の「庚申供養」刻銘入青面金剛像 | 茅ヶ崎市行谷766-2 金山神社 |
5 | 明暦2年(1656) | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 | 藤沢市遠藤2539 御嶽大神(みたけおおかみ) | |
6 | 明暦2年(1656) | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 | 平塚市大島813 正福寺 | |
7 | 明暦4年(1658) | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 | 茅ヶ崎市十間坂3-9-47 神明宮 | |
8 | 不明 | 庚申塔 光背型4臂青面金剛像 二猿 | 平塚市札場町15-42 長楽寺 |
・青面金剛と二猿。(一般的な形「青面金剛と三猿」に固まる前の形ではないかと思われます。)。この二猿は三猿と異なり、目耳口いずれも押さえていません。
・作風が同じ、製作年が近い、素材が同じ安山岩と類似性が高く、同一作者の手になるのではないか、と思われます。
道教では、人間の体内には三尸(さんし)という3種類の悪い虫が棲み、人の睡眠中にその人の悪事をすべて天帝に報告に行くという。 そのため、三尸が活動するとされる庚申の日(60日に一度)の夜は、眠ってはならないとされ、庚申の日の夜は人々が集まって、徹夜で過ごすという「庚申待」の風習があったそうです。庚申待は平安貴族の間に始まり、近世に入っては、近隣の庚申講の人々が集まって夜通し酒宴を行うという風習が民間にも広まったそうです。
左上:三叉戟(さんさげき:三又になった矛のような法具)、
左下:法輪、
右上:棒(剣?)、
右下:羂索(けんさく:綱)
これは、「申の次ぎの日、すなわち酉の日になるまで籠るから」、あるいは、「夜を徹して、朝に鶏の声を聞くまで念仏を唱えるから」という説があります。
山王権現の使者=猿=申という連想から庚申と結びついたとも考えられるそうです。
・寒川町HP 神奈川県指定重要文化財
http://www.town.samukawa.kanagawa.jp/chosei/bunkazai/jyuuyou/kanagawaken_shitei/1361327963084.html
・相模の石仏~近世庶民信仰の幻想 昭和56.10.24 松村雄介 p137, 180
・茅ヶ崎市史研究 5号 1981.3 p43 茅ヶ崎市にある初期の庚申塔について 天ヶ瀬恭三
・茅ヶ崎市トップページ > 文化・歴史 > 指定文化財一覧 > 輪光寺の庚申塔http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bunka_rekishi/shiteibunkazai/1006276.html
・茅ヶ崎市トップページ> 文化・歴史 > 指定文化財一覧 > 八幡大神の庚申塔(承応3年:1654年)
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bunka_rekishi/shiteibunkazai/1006269.html
・平塚市トップページ> 観光・文化・スポーツ> 文化・歴史> 文化財> 長楽寺の庚申塔
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/bunka/page-c_01255.html
・寺社関連の豆知識 庚申塔
http://www.geocities.jp/mitaka_makita/kaisetu/kosin.html
・民俗の宝庫ホーム > 庚申塔物語 > 庚申塔入門 > 塔の移り変り
・湘南七庚申(一)承応2年銘、四臂青面金剛庚申塔(寒川町)
最終更新日 2018.4.8