釣手土器は縄文時代中期中葉(約4,500年前)に作られた土器の一種です。
その中でも初期{勝坂Ⅱ(藤内)~曽利Ⅰ}に作られたものは、数が少ない(全国で58個(*4))上に、特徴ある形(宇宙人?パーマン?)をしています。
また、何に使ったのかわかっていません。
これまで次のような説がありました。
いずれも「儀式・祭祀で使ったのであろう」という説です。
1.吊り下げて使う祭祀用。(*1)
2.住居廃絶儀式用。(*2)
3.火神を宿す母神を表わす祭祀用。(*3)
寒川町岡田遺跡から5つの釣手土器が出土しています。
その内の一つ(116住居址)が初期のものです。
「寒川町観光協会」で見ることができます[→展示内容]。
116住居址から出土した釣手土器は町の重要文化財に指定されています。
下の写真は116住居址の釣手土器です。
高さ21.7cm、径22.0cm、重さ約2kg
寒川町文化財学習センターは、一之宮小学校の一角にあります。
1階は縄文時代、弥生時代、古墳時代の出土品を中心に、実物の土器を展示しています。
2階は民具を展示しています。
特別展を展示している時もあります。
入口は曜日によって変わります。
西門から入る時は、ご注意ください。
入館料: 無料
開館日: 毎週:火曜日、水曜日、金曜日
(注:年末年始(12月29日~1月3日)及び祝祭日は休館)
開館時間: 午前9時~午後4時
入口: 火、水、金曜日は西門を、土曜日は北門及び西門をご利用下さい
詳しくは→「寒川町文化財学習センターのホームページ」をご覧ください。
*1:山梨県埋蔵文化センター 研究紀要 18 2002年「縄文中期釣手土器考②」
*2:'82 諏訪市文化財報告 穴場 ANABA Ⅰ 長野県諏訪市穴場遺跡第5次発掘調査報告書 1983.3 「3 18号住居跡-(4)8号住居跡の特異な遺物出土状態と遺物群の性格」
*3:吉田敦彦著「縄文の神話」
*4:史葉 第3号 2010.5 「釣手土器の展開過程 -造形の継承と変容-」國學院大學 中村耕作 「参考:釣手土器事例一覧(Ⅰ期)」より
2018.10.2 更新